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2005年2月23日 (水)

こどもごころ(2)

Shun-sangのコメントに返答しようかと思ったのだけど、ちょうどいい記事を見つけたので(from hirax)

5歳児に、理科を説明するって難しいねぇ。 かなり苦労したよ。
そう、苦労するのである。でも、何故なんだろう?

丁度、昨日書いた「煙突の煙が上にあがる理由(理由と書いてワケ)」を教えてあげてた時のことを思い出した。こういうとき、オイラはまず「何故だと思う?」と聞いて、彼なりの意見(大抵は外れてて突拍子もないことだったりする)を聞き出す。no idea だと言っても、出来る限りひねり出させる。で、それを修正するのだけど。
「煙」の話の時、彼がどういう意見をしたかは忘れちゃったのだけど、その後かなり苦労した。
まず、自分の頭の中で考える。煙(杉並区の焼却場の煙だったのだけど)は水蒸気と仮定しよう。何故上に上がるかと言えば、周りの空気より軽いからである。どうして?それは暖かいから。
暖かい空気が上がる(軽い)こと、冷たい空気が下がる(重い)ことは「常識」だ。でもどうして?「対流ってのがあるから、わかるだろ」というのだと順序は逆だ。重い軽いがあるから対流が起こるんだもの。
何故軽いのか?漠然と「軽い」んじゃなくて、「比重が小さい」ってことなんだよな。ってことは、「体積が大きくなると軽く(比重が小さく)なる」ってことを説明しなきゃ。当時、受験地獄を抜け出したばかりのオイラの頭には "PV = nRT" なる公式が浮かんだ。T(温度)が上がれば P(圧力)一定なら Vも比例して…、ダメだ、そんなの意味がない。理由にならない。

結局、まず、「熱膨張」について教えるところから始めた気がする。もちろん、分子間の力が…なんてことは話せないから、身の回りの熱膨張の例を出してきて説明したんだろうなぁ。で、風呂の話なんかも交えて、対流で比重について納得してもらって…と、かなり苦労したのを憶えてる。

そんなことを思い出しながら出社したら、Alan Kay氏のインタビューに、似たような(?)ことが書いてあったので。いくつか引用。

アメリカの小学校教師は、数学や科学についてよく理解していません。日本でもそうではないかと思います。数学は、数学としてではなく、計算として教えられています。数学は計算じゃないんですよ。数学と計算は違うんです。

本当にそう思うのよね。ドリル何枚やっても意味ないのよ。68x25 って出されたときに、何秒で暗算できて正確か?っていうよりは 68x(100/4)って考える頭の方が重要だと思う。(単にテクニックってことじゃなくて、そういう考え方つーかな)

私たちが本を読む時には、その内容を覚えているのではなく、本を記憶装置として活用しているんです。19世紀に教えていたスキルは、「読んだことを実際に自分の内側にどう活かすか」という技術だったのです。私が小学校時代に学んできたのも、そういうことなのです。

大学の時に漠然と感じてた授業に対する虚無感はこれだと思う。結局調べてわかることをテストしても仕方ないんだよな。テキスト、ノート持ち込み可にしたら全員が満点を取れるような授業やテストは意味がないんだと思う。

なぜなら、大人がそのアイデア(考え方)についてすでに持っている常識が、子どもが自ら考えることを妨げてしまうからです。

これが(小さな)子供に物を教えるときに大人が一番苦労するし、やってはいけないことなんだと思う。でも、大人が常識をとっぱらって同じ目線まで降りることはやってみるとかなり難しい。多分コストがすごくかかるんだな。そういう意味で、義務教育の中ではカバーできないんだと思われ。

一緒にいろんな人と仕事をしてきても、限定列挙して指示しないと動けない人っていうのが、若い人はもちろん40歳、50歳になってもいるものだというのに驚かされる。多分、「こういうときにはこれ、これにはこれ」という様な理解の仕方を続けてきていて、その後ろにある「何故、こういうときにはこうなのか?」みたいな原理がわかってないんだろうなと。

出来るだけ、多くの子供が色んな事象を深く理解して、考える力を蓄えてほしいものだと。それは、理系だ文系だ、技術者だ芸術家だという区別なしに。

ま、その他、「カエルの話」なども面白いので是非ご一読を。

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