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2009年1月21日 (水)

空気

近頃また意識的にCMを見るようにしているのだけど、ハンバーガー屋のCMに「空気なんて読むな」みたいなのがあって。まぁ、常識外れの大きさ、美味しさですよ、というメッセージのための広告屋の作った文句なんだろうけど。

どうも近頃の批評家とかKYという言葉で「空気を読む」という言葉を知ったオッサン連中とか尖った若者とかは「空気を読む」=「悪いこと」と使うキライが多い。空気を読むってのは、自分はAだと思うけどみんながBだと言うから自分の意見もAにするとか、上司がBだと思ってるからAにするとか、そんなイメージらしい。要は「世間に迎合する」ということ。

オイラの認識から行くと「空気を読む」というのはお笑いの世界での業界用語で元々は一般の人の使うものではなかったのだけど、一時期業界用語が流行った影響や滑ったところも敢えて放送に載せるような番組作りの影響で人口に膾炙するようになったのじゃないかと。恐らくオイラが高校から大学ぐらいだから15年~20年前ぐらいかなぁ。
パターンとしては、クイズ番組とか番組内のゲームに呼ばれている芸人がボケを期待されているのに、真剣に取り組んで共演者の俳優の顔をつぶしてしまうとか、お膳立てされているのに持ちネタをやらないとか、そういうときに「空気読めよ!」ということになる。後、以前「松紳」で「小池栄子は頭良いよ。あいつは空気読むから」と島田紳助が言っていたようなのも、バラエティ番組やトーク番組に置いておいても適切なタイミングで話すし、共演者の邪魔になるときは黙っている、といった意味合いである。
「空気を読む」=「番組や劇場を盛り上げるために何かをする or 何かを控える」ということであり、彼らの目標が「番組/劇場を盛り上げる」ことなのだから、そこに対する貢献をするということ。逆に言えば、例え司会者が大御所でも若手がツッコむことで盛り上がるのであればそれはKYでもなんでもないのだ。

実社会で空気が読めない、というのは例えば、会議でどうでもいい話をダラダラする人がいてやっと終わりそうだなと皆がほっとしているときに、その話のさらにどうでもいいところに突っ込んで話を延ばそうとする奴とか、エレベータで他の企業の人も乗っているのに大声で社内の内情の話をするとか、「その場の雰囲気を察知して適切な行動が出来ない」ことを指すのである。別にプロジェクトの成功のために上司と反対意見を出すのは空気の読めないことではない。もちろんそれなりの根拠がなければ立場を失って結果的にダメなんだろうけど。

まあ広告屋とか批評家というのは世間がAだと言っていることに敢えて逆を張ってインパクトを与えるというのが仕事だから、「空気が読めないのはダメなこと」という常識から「空気なんか読むな」というメッセージを出すのはわかる。でも、それに載せられるように「俺は空気なんか読まないぜ」みたいな事を言って少しクールだと思ってる人は何となく気持ち悪いのである。「俺、その場の雰囲気がよく分からないんだぜ!!」みたいな。まあ、言葉は時間と共に変わるものだけど。

ほぼ日刊イトイ新聞-ダーリンコラム <空気を読む> 2006-01-23

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