« 東軍 55-26 西軍 | トップページ | 演技性人格障害 »

2009年1月14日 (水)

壬生義士伝

靖国神社の宮司、南部利昭氏死去

カンボジアへ行くに当たって海音寺潮五郎の剣と笛という本を買っていったのだけど、神戸に帰る途中で読み終わってしまった。これはこれで、中々粒ぞろいの短編集なのでお勧めであるが、神戸から帰京するにあたっての本が無い。愚弟にトレードを申し込んだものの、彼奴が持って帰ってきた本はまだ読みかけだと言う。で、実家で本を漁っていたら、愚弟から浅田次郎の壬生義士伝を勧められた。

「みぶぎしでん」とはどこかで聞いたような、と思ったらテレビや映画でやってたのな。ベストセラーとか「ドラマ化決定!」とかそういうのに興味が無いので縁がなく。
とりあえず、神戸空港の本屋にあったので上巻を購入して帰った。その後東京で下巻探したら何故か無くって、3軒本屋を回るハメになったのだけど。

中身は文武両道ながら地味に描かれる吉村貫一郎なる盛岡脱藩の新撰組隊士が鳥羽伏見の戦い後に死を迎えるに当たっての回想と、大正時代になってから元盛岡藩士や新撰組隊士などに吉村について取材したインタビューとが交互に書かれる体裁をとった「よくできた」本である。何というか、一人の人生の色々な部分を色々な角度から描いて少しずつピースが埋まっていくような進め方、そして取材相手の一人称の口調がまた良く描写出来ているのである。時間軸が行きつ戻りつしながら書かれていくのは吉川英治の宮本武蔵に似ているかな。

明治維新に当たっての奥羽越列藩同盟などは歴史の授業で習うところであるが、この本を読むと朝敵とされた会津と盛岡に対する扱いの酷さが良く書かれていて、「安倍晋三が首相時代に福島でおわびした」(もちろん支持率稼ぎのためだが)とかいうのがよく分かるのでした。
でもなあ、朝敵と蔑まれた南部家当主が巡り巡って靖国神社の宮司ってのも凄い話だなぁ、と最初のニュースに戻るのでした。

そうそう、この本、実話っぽいけど架空の話なのだけど、最後の方で稲作の話が出てきて亀の尾が食用米だというのを知りましたよ。これはホント。今では酒米としてしか見かけないけど、コシヒカリやササニシキ、五百万石は亀の尾の子孫なんだそうな。
って、壬生義士伝読んで亀の尾に食いつく奴もいなさそうだな。

|

« 東軍 55-26 西軍 | トップページ | 演技性人格障害 »

戯言」カテゴリの記事

コメント

> marie様
蔵見学行って「分けてー」ってにっこり笑えば1合ぐらい分けてもらえないかな。オイラが笑ってもダメだろうけど。

>KEiさん
下調べというか、最初に軸がしっかりしてる感覚はありますね。流れるような勢いは無いけど、ちょっとずつ伏線があって何というか嬉しくなるような仕掛けがあるのも良いところかと。

投稿: しげお | 2009年1月16日 (金) 15:57

浅田次郎の歴史系の本て、破綻感が全然なくて安心して読める感じあるよね。きっと、すげー下調べしてるんだろうなー。

投稿: ケイ | 2009年1月16日 (金) 11:47

亀の尾、食べたら不味かったという話を
聞きましたがそもそもは食用だったんですね。
wikipedia でも、亀の尾は酒米じゃなくって
「酒の原料に使われる一般米」っていうくくりでした。知らなかった。
酒米、食べたらどのくらい不味いか
一度食べてみたいです。

投稿: marie | 2009年1月15日 (木) 14:49

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/232324/37749987

この記事へのトラックバック一覧です: 壬生義士伝:

« 東軍 55-26 西軍 | トップページ | 演技性人格障害 »