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2009年11月 9日 (月)

田治米合名会社

「好きな日本酒は?」と聞かれると困ってしまうのだが、何本挙げるにしても必ず「竹泉」は入る。

以前書いたが、二十歳そこそこで得た行き着けが日本酒100種以上を揃える店。親子程も歳の違う大将に色々と教えてもらううちに、体調も気分も良いときは最後の一杯に「竹泉 夢酔人」をもらうことにしていた。大吟醸の雫酒、何とも美味く兵庫県の酒ということもあって気に入ったのだ。

たまに0時前になって客がはけてオイラだけになった時には大将が隣に座ってバイトの女性に「オイ、晩酌持ってきて」と言うことがあった。"マスターの晩酌"というのが純米大吟醸の雫酒で「田治米」というラベルであり、相伴に預かったりしたのだが、これも美味い酒であった。
しばらくして田治米と竹泉が同じ蔵の酒と知って、なるほど何かとダラダラ話していても飽きないというのは酒の好みが合うからか、などとも思ったが、今考えれば酒の師匠と不肖の弟子の好みが合うのは当然だったのかもしれない。

その店がなくなったのが2006年頭。もう3年以上東京で竹泉を飲んでいない。たまに帰省すると、親がオイラの好みを知っていてくれて用意していてくれるのだが。通販も良いがふらっと買える店はないかと一度問い合わせたら、東京で田治米の酒を扱っているのは町田と昭島の酒店だと教えていただいたのだが、何とも遠い・・・


さて、この週末思い立って帰省したのだけど、親に連絡すると「田治米でも見学に行くか?」と。思いがけぬ誘いに一も二も無くお願いをして土曜に連れて行ってもらった。丹波の奥、但馬地方で山陰本線が通っているが、神戸からだと車がないとつらい。見学の予約をした母親曰く、やたらと「小さいところですから」と恐縮され”こんなとこまで何をしに来るのか?”ぐらいの感じだったという。オイラがメールで問い合わせをしたときも「小さな蔵ですので中々東京までは・・・」といった感じのお返事だった。

で、到着してびっくり。立派な塀に囲まれたお屋敷でした。聞くと敷地は約1万坪、ただ従業員が15人ほどで石高は800石とのこと。何を持って大小を評価するかは難しいものだなぁ、と。


いきなり山を借景にステキな中庭
右奥はかつての醤油蔵

元禄十五年に、和泉国田治米という土地から商売に来ていた商人が店を構えたのが最初だとか。元禄十五年(1703年)といえば、赤穂浪士の討入の年である。最初は酒造では無かったようだし、何時頃かまでは醤油も作っていたと。ちなみに未だに岸和田に田治米という地名があるようだ。

当然?見学は親子3人のみ。越中と書いて「えっちゅう」さんという営業の方がついてぐるっと見学をさせてくれた。今ある蔵は明治蔵・大正蔵・昭和蔵といってそれぞれの時代に立てられたものなのだそうだ。先月20日から仕込み始めたとのことで忙しい中丁寧に説明していただいた。


大正蔵を磨く蔵人さんが渋い
奥は麹室ということで見学できない


繁忙期が終わると社員総出で梅酒を造るそうな
梅酒用に20度の日本酒を使うと
この梅酒がまたキリリとして美味い

最後に入り口に戻ると事務所前に冷えたボトルが8本ばかり。最初に純米大吟の一升瓶の封を切っていただき、その後梅酒も含めて色々飲ませていただいたが紛れなく美味い
好きなだけ飲んでください」の言葉に甘えて最後にもう一度純米大吟を1杯。昼前にすっかり良い気分である。
残念ながら夢酔人、大将の晩酌は四合瓶がないので、雫ではない田治米ともう1本を江戸に送る。「すみませんがクール便ですので送料が…」と仰る。デフォルトがクール便というところに本当にお酒を大事にしているのだなぁ、と感じたのでした。出荷前のお酒も大型の冷蔵庫に積んであったし(普通に室温で平積みという蔵が多い)

出迎えてくださった事務の方から案内の方から、皆気持ちよく。なんだか自分が10年以上好きだった酒の作り手が良い人ばかりだったのに嬉しくなってしまいましたよ。
元来は1000石を超えていたというが、今では800石になってしまい。蔵には空の琺瑯のタンクがいくつかありました。本当に美味しいお酒があるのだから、日本人には日本酒をもっと飲んで欲しいものです。特に竹泉なら純米吟醸以上で是非。ホームページから通販も出来るので。

竹泉 創業元禄十五年 三百年の伝統を誇る銘酒 「竹泉」

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