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2010年3月11日 (木)

佐賀旅行2日目 -鍋島編-

天吹酒造を後にして元来た道を西へ戻る。相変わらずの大雨。武雄から南下して肥前鹿島へ。ここでレンタカーを返し、タクシーを呼んでもらう。
「肥前浜の富久千代酒造まで」と言って通じるかどうか不安だったのだけど、すんなり通じて10分強で蔵の前へ。

こちらは近年急に名の知れた「鍋島」ブランドの蔵。20年ほど前まで東京で会社勤めをしていたが、急遽脱サラして地元に戻った飯盛直喜杜氏(蔵主)が10年ほど前に立ち上げたブランドが「鍋島」であり、従来の富久千代は止めてしまったのだという。
Hさんの皇居走り仲間だか飲み仲間だかと「鍋島美味しい」という話をしていたら「俺、幼なじみだけど」という人がいて、その伝で見学を申し込んだのがそもそもの今回の旅行の目的だったのだ。通常は一般人の見学は出来ない。

見学は13時半からお願いしていたのだけど、蔵の前に着いたのが13時10分。雨も少し小降りだし、時間つぶしに肥前浜の街並みでも見ようかと。この辺りは歴史遺産とも言われる宿場町の佇まいが残り、酒蔵が日本酒・焼酎合わせて何軒か並んでいる酒蔵通りという通りがあるのだ。

とか言ってたら、中から人が。あれ?雑誌で見た飯盛さん?とか思ってたら電話で話しながらどこかに行ってしまった。ん、どうしようかね?と思っていたら戻ってきて「どうぞ中へ」と言いつつ、また電話しながらどこかへ。中って事務所?それとも着いて来いってことかな?とオロオロしてたら、どうやら着いて来いということだったらしく。
「帰りは何時ですか?」といきなり聞かれる。蔵見学を1時間半ほどさせて頂いて、歩き30分もしくはタクシー10分で三大稲荷の一つと言われる祐徳稲荷に行って、そこからリムジンタクシーで佐賀空港へ行く予定であった。
「祐徳稲荷前16時半です」と答えるとニッコリ笑って「じゃあ余裕ですね」と。この時点では正直何だか掴み所の無い人物という感じだった。なんつーか、天才肌の人ってこういう感じだよね、と。

蔵は開けっぴろげで、中は狙ってか狙わずか薄暗くて雰囲気があるところが多かった。300石とか450石とか言う割には蔵人さんと良くすれ違う気がする。でも後で聞いたら6人でやってるんだそうな。「今日は手伝ってもらってるので8人います」とのこと。
「蔵の見学は初めてですか?」「いえ」「いくつぐらい行かれました?」「20ぐらい…」「えっ?あぁ、じゃあ、あまり説明することも無いなぁ。どこも同じですよ」と。

基本的にはほとんどを手作りで行っているそうだが、別に「手作り=美味しい、いいもの」という短絡的な理由ではなく、衛生面だったり作業効率だったり、もちろん味もあるだろうけど、そういった事を考えて色々と決めているようであった。例えば、ここでは槽での搾りは行わず、ヤブタ(圧搾機)で行っている。ただ、佐賀の南部で暖かいからといってヤブタごと冷蔵庫に入れていたけど。

そして何故か大音量で響き渡るサザン。別にポリシーで流してますなんて気取った感じでは無く、ミニコンポっぽいので精一杯大音量流してるって感じ。「あ~れ~からじゅ~ね~んも~♪」とか学生自分に溜まり場にしていた友人宅を思い出して妙に懐かしい気分になる。

中央の瓶は協会9号酵母の瓶。直接熊本の香露(熊本県酒造研究所)まで取りに行ってるそうな。「だって近いですから」「でも下手すると往復8時間ぐらいかかりますけど」とか。どっちなんだよ!

蔵の片隅にはフラスコやメスピペットなど。比重(日本酒度)測定や何らかの同定をするんだろうか。

最後に蔵の2階を見せて頂く。ここも古い木桶やその他使われなくなった道具や箱などの置き場に。足下が板張りなのだけど隙間が空きまくっていて下が透けて見えるのが中々怖い。

これで蔵見学は終わって、試飲=>購入という流れ。ここで、昨日からの腹一杯が続いているのと、車に揺られたのか、少し胃がムカつくのでガスターとウコンを投入して備える

で、普通は天吹のように、ショップか事務所で、冷蔵庫から何種類か出してもらってグラスに少しずつ頂いてああだこうだと言って…という流れなのだけど、この蔵では別棟の2階に案内された。
急にワンルームマンションのようになっていて、リビング(?)に通される。「つまみ用意してます」とか聞いてたけど、てっきり乾き物があるのかと思ったら皿鉢皿チックな大皿にてんこ盛りの唐揚げやら刺身やら卵焼きやら…
で、「勝手に飲んでてください、私まだちょっと仕事有るんで」と封切られていない雄山錦の純米吟醸生酒の四合瓶を置いて行ってしまった。


実は酒器も凝っているそうな
佐賀は陶器だもんねぇ

あまりに予測できないことが起こると人間スタンするんだね。3人でしばし「えっ?えっ?」と固まってしまった。とはいえ、折角の御厚意だしと注いで一口飲んで「美味い」と。これまで鍋島は何度も飲んでいたけど、これは近年まれにみる美味さ。初めて九平次の別誂とか田酒の斗壜取を飲んだときの衝撃に似てるかなぁ。別に御厚意受けたからというわけではなく、本当に美味い。その後にごりも持って来てくださった。

と、また飯盛さんが戻ってきて「今搾ってきました」と…

ビ、ビーカー? 以前、生命理工系の先輩から「ビーカーで飲むビールは不味い」と聞いたことがあるのだけど、ビーカーから注ぐ酒は旨かった。これは山田錦の純米吟醸。先の雄山錦と似た味わいながら生酒特有の少しチリチリとする、その泡が細かい気がした。

その後飯盛さんも「今日は暇ですから」と上がってきてくださって色々話を。
何だか外は雨が激しくなったり治まったりなので、もう祐徳稲荷は断念。タクシー会社に電話して祐徳稲荷でピックアップを富久千代酒造に変更してもらう。ということで腰を据えて16時半まで2時間半トーク。酒の話はもちろんだが、サッカーやらラグビーやら(九州はラグビーどころだ)取り留めのないお話にお付き合いさせてしまった。
お話ししてる間もちょくちょく携帯が鳴り、販売店から問い合わせが入っては「いやもう無いです」などと話をされていた。日本酒の蔵はほとんどが苦戦していて石高を減らしたりしているのだけど、鍋島は「お酒が足りない」んだそうな。最近夙に有名になったので、シーズンオフも試飲会だの販売会だのといったイベントで良く東京にいらっしゃるらしい。

本当は飯盛さんも飲んでお話出来れば楽しかったんだろうけど、楽しい時間はすぐに過ぎ去り帰る時間。御礼を言い3人の酔っぱらいを収納したリムジンタクシーは貸し切りのまま佐賀空港へ。

1日4便しか飛ばない佐賀空港(ANA限定)、本屋が無く、売店にも本を売っていないというオイラが経験したことのない空港クオリティ。ここで一騒動あったのだけど割愛。

オイラが気になったのは売店の柚子胡椒。日本語では「柚子こしょう」と書いてあるのにローマ字表記はgoshow と濁ってるのな。七味唐辛子のUSでの商品名が「nanami-togarashi」みたいなもんか。

羽田行きの最終便は月曜ということもあってかガラガラ。東京に着いてからも「あれは何だったんだろうか?」と夢見心地だった3時間を反芻しては、しばし呆けるのでした。

今回のステキな旅行のキッカケを与えてくれたMさん、Hさんに多謝。お世話になった方々にも。

佐賀の酒 鍋島|富久千代酒造有限会社

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コメント

Niftyに通知しとくか

投稿: しげお | 2010年3月18日 (木) 09:38

SPAMじゃね?

投稿: kei | 2010年3月18日 (木) 08:12

なんだこれ?

投稿: しげお | 2010年3月17日 (水) 18:55

エコでしょ、エコ。1日2便のエコ空港。

あ、違ったな。 エゴだwww

アムロ「何でこんなものを地球に落とす。これでは地球が寒くなって人が住めなくなる」
シャア「地球に住むものは自分たちの事しか考えていない。だから抹殺すると宣言した」
アムロ「人が人に罰を与えるなどと」
シャア「私、シャア・アズナブルが粛正しようと言うのだ、アムロ」
アムロ「エゴだよ、それは」
シャア「地球が持たん時が来ているのだ」

シャア「地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの重力に魂を縛られている人々だ」
シャア「地球は人間のエゴ全部を飲み込めはしない」

投稿: shun | 2010年3月17日 (水) 17:02

確かにさっぱり見当もつきませんな。納豆食べたい、とか、霞ヶ浦みたい、とか。あぁ、霞ヶ浦にゴルフ場あるな、あれか?

投稿: kei | 2010年3月17日 (水) 02:54

つーか、4月から増える1便が神戸便なんですがね。ex-神戸人として茨城空港に行きたい人を思いつかないのですよ

投稿: しげお | 2010年3月12日 (金) 08:34

先日オープンした茨城空港は一日二便だそうですよ(突っ込むところそこかよw

投稿: kei | 2010年3月12日 (金) 03:17

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