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2010年8月 2日 (月)

甲州街道 第6話(前)

今回は鳥沢から笹子までの約20km。何もこんな暑い時に歩かんでもええやないか、という話もあるが笹子峠は秋になると熊が出る、という笑えない話があるので強行。が、暑いのみならず、今回抜ける大月市はこの時期毎晩のように雷雲が発生し大雨が降る。道路が通行止めになり、中央線が止まるレベル。
それは困るということで、いつも10時出発だったのを9時出発にして早めに終わりましょう、と。今思えば11時半出発の明大前って何だったんだろう…(遠い目

今回も写真多め、かつネタ多めで長くなると思う。

7時に家を出て例の如く中央線で向かう。今回は大月行きなんて素敵なものをツモれなかったので高尾行き。ほとんどのハイキング姿の客が高尾で消えるのを横目に中央線各停に乗り換える。なんか急に女性の化粧っ気がなくなった気がするが、こんな朝早くに中央線下り方面って何なんだろ?部活の学生っぽくもないし。
高尾以降、正確には相模湖以降の沿線の景色には妙に愛着がある。ああ、あそこを歩いたな、あの坂を下ってきてここに出たな、など。

0849 鳥沢着。まだ山梨組は到着していないようだ。

駅前でラジオ体操するハイキング姿のオッサン達を見ながらぼーっとするが9時になっても誰も来ない。「あれ?鳥沢だったよな?違ったっけ?」と妙に不安になってAさんにメール。すぐに電話があって高速が事故渋滞で1本遅れるとのこと(車で大月まで来て電車で来ると)。0912無事に合流。スタートです。


道の向こう側をパンケーキで撮ったのを拡大したので…


今回もNさんの編み笠でお届けします
道標に勝沼までの距離が登場

1008猿橋。なんのこっちゃない橋に見えるんだけど日本三奇橋の1つなんだそうで。

下から見るとなるほど変わっている。何でも急流とか高いところにかけるために刎橋(はねばし)と言って、両岸の崖に穴をあけ、そこに材木(刎ね木)を突っ込んで、その上にさらに刎ね木を出して、と繰り返して架ける構造なんだと。刎ね木に屋根がかかってるのは下の木が腐らないように雨避けだとか。
江戸時代から名勝らしく、この近所だけは栄えていた。

ここで満を持して New Item 冷えピタボディ用を取り出す。首筋(頸動脈)、脇の下、股関節辺りがお勧めとパッケージに書いてあるのだけど迷わずキワモノの股関節へ。少し内股辺り、大腿動脈の辺りに貼ります。「うほっ」と声が出るほど冷えるけど、動脈に貼ったからどっか他の部分まで涼しくなるかというと謎。涼しいのかな。涼しい気もする。何せ少なくとも局所的には涼しいけど、歩いている途中にはがれてきてズボンにくっつこうとする。まぁ動く部分だから仕方ないけど。

前回ぐらいから頻発する馬頭観世音の碑。何となくヴィシュヌ関係だったよなー、とうろ覚えだったのだけど、調べてみると街道筋にある馬頭観音の碑は、昔街道を通っていて斃れた馬の供養塔なんだそうで。なるほど。この後も何カ所か立っていた。
ちなみにそもそもの馬頭観音は密教に於ける観音菩薩の化身で畜生道担当なんだそうな。畜生道に迷う衆生に教えを授けて助けるんだとかなんだとか。


1039 桂川。今日も良い天気。


夏っぽい。いかにも。

1050 東京電力駒橋発電所。右に見える穴は嘗て水圧鉄管が通っていた跡なんだそうで。実は明治40年に東京電燈がここで水力発電を行い、早稲田で変電して麹町に送電するのに成功したんだとか。気の遠くなるような話です。東京電燈は後の東京電力、この頃電球作ってたのが今の東芝な。

1055 第五甲州街道踏切で足止めを食らう。中央線86K260Mとのこと。新宿からの距離かな。
踏切が鳴り始めてから2分ぐらいたって通過したのは3両編成の各停。何とものんびり。

1109 岩殿山が真横に見えてくる。ここは鎌倉時代以降この辺りを治めた小山田氏の居城で遺構が山頂にあるそうな。同行したMさん(Mさん2人いるんだけど面倒なのでMさんにする)は登ったことがあると。なるほど要害といった感じの岩が剥き出しの山。
ちなみに武田勝頼は新府を捨てた後、真田昌幸が群馬方面に迎えようとしたのを断って、小山田信茂の岩殿山城を目指したのだが信茂の裏切りにあって已むなく天目山を目指すことになるのである。勝頼は信茂の迎えを待って笹子峠の向こう駒飼で1週間待っていたけど迎えが来なかったとか、一説には笹子峠を越えて小山田の軍勢が攻め寄せたとか。
まぁ、デレツンです。「うちに来ない?」って誘っといてホイホイ行こうとしたら「あんたなんか入れてあげないわよ!」というヒドイ仕打ち。


1119 大月駅。富士急行の車輌がいます

ちょっと休憩しましょうか、ということで大月駅をちょっと過ぎた路地っぽいところの日陰で休憩。これが料亭の前だったんだけど「昼飯どうしますかね」なんて話をしていたら、すーっと車が来てオッチャンが降りてきた。どうやら料亭の人なのかな?「ちょっと車に水掛けるんで、そっちに撥ねたらごめんね」なんてところから会話スタート。

この向かいの菓子屋はね、まだ主人は60ぐらいだけど山梨じゃトップクラスの腕前でね、京都に修行に行ってたんだよ、ここに有職って書いてあるだろ、有職ってのは京都で認められた菓子屋しか付けられないんだよ(実は微妙に間違ってる)、だとかなんだとかやたらと菓子屋の紹介をしてくれる。あんた料亭の人だろ?料亭の自慢じゃなくて菓子屋の自慢してどうすんの?って感じ(カオスその1)

そこの入口入って右側にね、姫路の博覧会に出したときの菓子で作った造花みたいなのがあるからね、ちょっと入って声かけて見せて貰えばいいよ、ほら、とやたら勧めるというか、見に行かないとオッチャン許してくれそうにないので付き合いの良いAさんが暖簾をくぐる。オイラは外で待ってたんだけど、なんだか今度は菓子屋の中でAさんがトラクタービームにキャプチャされたっぽいので救助に。ギャラガ的なことね。ほら、助ければデュアルファイターになれるでしょ(分からない人はお爺ちゃんに聞いてみよう)

なるほど見事な細工です。造花だって言われたら信じるね。

こう言っちゃ何だけど、外から見るとちょっと古そうだけど何でもない町の菓子屋だし、パンとか書いてあって和菓子っぽくもないし、中に入ってもヨーグレットやら袋菓子やら置いてて至って普通。ただよく見るとそこかしこに賞状があったりして。
で、今年62だという主人が出て来てAさんと話してる。で、またこのご主人、話の着地点が見えないままボルテージが上がって来て何だかんだと話を。大月市の扱いがヒドイ、小川宏ショーって知ってる?(知ってるけど知ってると言ったら面倒そうなのでスルー)露木茂がアシスタントだったんだよ、渡辺謙がペーペーの時に菓子職人役の指導した、葵祭の話、花押の話、とらやの話、その他諸々。結局これが落ち着くのに30分近くかかった(カオスその2)。いや、話自体は興味深かったんだけどね。話の内容は割愛。聞きたい人は行って下さい。大月駅からすぐ。
大月木村屋(山梨県|和菓子店)のスクロール地図・詳細ページ - goo タウンページ

ちなみに上の写真のものは姫路の菓子博に出したもので2年前に作ったんだとか。ほとんど砂糖なので腐ったりはしないけど色は着色料なので褪せてくるんだと。曰く、紀宮様が4つの時に東宮御所に呼ばれて細工をこさえたんだけど、こういうものは壊れやすいってのは宮内庁の方でも知ってて2つ作るわけ、片方壊れても大丈夫なようにね、その時納めたのと同じのがまだ上にあるよ。もう40年近いけどまだ大丈夫だね。少しだけカビが生えてるけど。でもどれぐらい持つかっていうと、これは作ったときの気合いの入りよう次第みたいなもんなんだよ、いや笑うけどね、そんなもんだよ。

話が落ち着いたところでMさんが、ドーナツ下さい、と。まぁ手ぶらで出るわけにもいかんだろうと。そしたらご主人、「いや、それ実は金曜(昨日)作ったままなんだよな、今日は暑くて仕事する気にならないし、お金取れないからどうしてもっていうならあげるよ」、と。意地でも金を取らないっぽいので、Mさん負けじと「じゃあきんつばください」というと「それは疲れてるから売れない」。どうも作って時間が経ってるからダメなんだそうな。本当に売ってくれなかった。

結局、ドーナツだけ袋に入れて頂いて「お茶も出さないで悪かったね。また話聞きたけりゃ来てくれよ」と言われて退散。もうね、カオスその3ですよ。確かな腕の持ち主なのは間違いなさそうだけど、あのご主人に本気を出させるにはどうすればいいんだろう?暑くない季節ならいいのかな。非常に不思議な菓子屋でした。いや、いい人でしたよ(急場の凌ぎ的フォロー)。

菓子屋で30分、料亭のオッチャン入れると40分以上費やして移動再開。
とりあえず昼餉をしたためねば、街道沿いのガストと藍屋、どっちにしますか?ということで涼しそうなメニューのある藍屋へ。でも結局オイラは朝食をまともに食べてないのでハンバーグ定食にビール。ビールを頼んだら店員が少し驚いた感じで「お車ではないですか?」と。あぁ、ここまで歩いてくる馬鹿いねーか。「いや、歩いてきたので大丈夫です」ということでオイラだけ生ビール(小)を頂く。最高。

すっかり涼んで外を見ると妙に風が強く吹いている。これは危ないかも知れないねぇ、というところで13時すぎに店を出たのでした。(菓子屋に時間を割いたので続く)

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コメント

いや、危なかったっす。
その点、ここのご主人は自分が興奮してることとを認識してたから良かったかも。でもクーラーも効いてない軒先で立ったまま汗を拭きながら話を聞くのは30分が限界かも。

投稿: しげお | 2010年8月 2日 (月) 17:29

わー素敵な出会いが!
時間さえ許す状況ならば
おじいさんおばあさんの噺聞くのとても好きです。
相槌うまく入れ過ぎると永遠に脱出できませんよね。

投稿: marie | 2010年8月 2日 (月) 17:02

実は私もドーナツ食べてないんですよね。ローソン時点で固形物食う気がしなかったというだけですが。
残り全部食ってMさんが即身仏になってるんじゃないかと心配してました。

投稿: しげお | 2010年8月 2日 (月) 15:32

お疲れさまでした。
よくあの話を詳細に記憶してるものだ、と感心しました。そういえば渡辺謙の話もしてたなぁ。
そういえばドーナツ食べませんでした。飲み物必須という感じでしたので。

投稿: 青木@蔵 | 2010年8月 2日 (月) 12:09

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