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2011年3月31日 (木)

リスクマネジメント

OLC、東京ディズニー4月6日再開報道を否定

「危険」っていうと risk と danger が有るわけだけど(他にもあるけど)、risk は danger と違って管理可能ってのがどこぞの学問の定義だった気がする。つまりブルース=ウィルス的なのは danger なんだけど、予め「こうなったら危ないな」ってのが risk だと。

普段の生活の中でも「風呂場の電球が切れて真っ暗な中入浴しなきゃいけなくなるリスク」から「火事で家が燃えちゃうリスク」みたいなのまで様々有るわけで。で、管理可能なわけで、これらをコントロール、マネージするわけです。リスクを無くしたり、起きても被害を少なくする。「換えの電球を買ってきておいておく」「火災保険に入っておく」など。
それでも往々にして大なり小なり事故は起こる。「刺身食おうと思ったら山葵を切らしてた」「徹夜で飲んでたら携帯のバッテリーが切れた」「チャリンコで歩道を飛ばしてたらお婆ちゃんにぶつかって大けがさせた」等々。洗い出せていなかったリスクがあるわけです。

企業も同じように色々リスクを背負って日々経営してるんだけど、一般人と比べると事が起きたときのインパクトがでかい。株主、社員、場合によっては社会に対して。なので「リスクマネジメント」というのをキチンと行うのです。大きな会社になると専門の部署がある。
何をするかというと、起こりうるリスクを列挙して、それぞれが発生する確率・発生した際に経営に与えるインパクトを推定し、それぞれに対する対処方法を考え、実施し、効果測定をする、ということを繰り返すわけです。「大口の取引先が無くなる」「為替が急上昇する」「社員がセクハラ起こす」「社長が死ぬ」等々。

オイラなんかで良くあるのはクライアントのサーバどうするかって相談される時。総務のXX君の足下でいいよね→蹴っ飛ばしたり倒れたりするじゃん→じゃシステム室のラックにいれるか→HDDやられたらダメだ→RAID1組もうか→1で大丈夫?→RAID5にする?→停電したらヤヴァくね?→UPS(無停電電源)入れるか→でもUPSだと長時間は無理だよね→どっか自家発のあるデータセンタ入れる?→データセンタに万一のことあったらどうするの?→じゃ、東京と大阪に分けておくか→両方国内で大丈夫?→じゃあ西海岸にも置いておく?→全部地球上で大丈夫?・・・

で、アホでも分かるけど、やればやるほどお金かかります。ので、「インパクト」と「対策」の費用対効果を見るわけで。オイラの知る限り、某金融案件の時は東京と大阪に分けるまでをやってた(オイラは直接関与せず)。当然両方のデータを同期取ったり、バックアップ取ったり諸々入れると月額だけでとんでもない金額だった記憶があるけど、「とんでもない」ってのはオイラの主観だからな。金融庁から指導受けたり、下手したら業務停止になるリスクに比べれば安いんだろう。
逆にインパクト(想定被害と発生確率)が小さい場合は対策が「何もしない」になります。全部のリスクに対応してたら幾ら金が有っても足りないわけで。例えば、オイラは仕事の関係もあって iPhone と au の端末を持ち歩いてる訳で、これだと万一 Softbank mobile が通話不能になっても au の回線で連絡することが出来る(実際イベント会場なんかでは稀に起こったりする)。その代わり、料金は2回線分払わなきゃなんないわけだ。もちろん au もやられたらもうダメだ。でも金払って DoCoMo 契約してまでカバーするのはな、と思ってるからしない。
どこまでやるかはその企業次第。で、やればやるだけコストがかかる=提供する商品やサービスが値上がりする。

今回の対応で「想定外」という言葉が政府や電力会社から多発されているのだけど、本当に想定していなかったとしたら残念。でも、想定したけど対応を見送ったのだとしたら、まぁ、な、という感じか。でもその結果、少なくとも電力会社の方は株価が500円割って公的資金注入の話が出てるわけで、マネジメント失敗なのは確かだ。

長々書いて冒頭に戻ると、東京ディズニーリゾートは今回の震災で敷地が液状化し、施設が被害を受けたと。更には電力消費量が半端無いので再開の見込みが立っていなかったわけです。ということで、会社としてかなりピンチなんだけど、その一方で日赤に1億円、千葉県と浦安市に5千万ずつを寄附している。

実は前にもここで少し書いたけど、オリエンタルランドは地震債券を導入しているらしい。
究極のリスク回避法「地震債券」とは、オリエンタルランドが世界初の導入
世界初、ってのは事業会社としてね。保険会社からはこの時点でいくつか売り出されている。

記事内の債券は2004年に償還してるみたいなので継続してるかどうかは知らないし、もしされていても今回の震源を考えると適用されたかどうかは微妙だけれども、会社のリスクマネジメントとしてはこういうものもアリだということ。JR東も発行しているらしい。USでは度重なるフロリダのハリケーン被害や、「想定外」だったアルカイダの航空機テロの後から色々と生まれて販売されているようだ。
Catastrophe bond - Wikipedia, the free encyclopedia

まあでも結局これはデゼニランドの入場料とか施設内の飲食料の値段に跳ね返ってる訳だ。色んな事を「想定内」にすると、それだけサービスは高くなるよ、と。電力にしても何にしてもね。

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