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2013年1月28日 (月)

フィルムを捨てないで!

週末、友人に誘われて本郷の東大へ。福武ホールっつうベネッセ(福武書店)の会長さんが寄附した建物で、安藤忠雄設計らしい。なるほどコルビジェっぽい薄い陸屋根に打ちっ放しのコンクリ造りである。
情報学環・福武ホール

で、ここで昔の東京の風俗を録画したフィルムを再生する会があると。正直、期待しないで行ったんだけど、結論から言うと案外面白かった。
大正の頃の東京紹介の無声映画から英語で戦後の東京を紹介する観光誘致用映像まで。

大正の路地に渋滞しそうになる人力車の群れとか、街角にやたらと軍人の銅像があるのとか。大正の靖国神社の夏祭りが普通に大きな神社のお祭りだったなぁ。
伸縮性の無い素材で仕立てた洋服で踊る変な振り付けの踊りに比べて、同時代の和装と踊りの美しいこと。やっぱ洋服も長い間着てこなれてきたんだなぁ。中国の人達の洋服のセンスの不思議な感じも50年ぐらいすれば馴染んでくるのかもしれんねぇ。
後は、ゴミ収集車が人力車で、大八車引いたおっちゃんが路地を通ると家々から奥様方がバケツみたいなのに入ったゴミをオッチャンの背中越しにボンボン放り込むのは驚きだった。大八車には東京都のマークが入ってるのよね。

で、このイベントは単に古い映像を見ましょう、ということではなくて、こういう映像が失われて行ってるんですよ、ということを伝えたいそうで。
一つには映画用フィルムは撮影して50年ほどで急激に劣化が進むので常温で放置されている資料がどんどんダメになっている現状。展示もされていたが、酸っぱい匂いがして昆布みたいになるらしい。フィルムが歪むことでピントを合わせた状態で再生できなくなったり、退色が進んだりして情報が失われてしまうと。
もう一つは、誰のものか分からないフィルムが数多くあって、日本の現在の法律ではこういった所有権のハッキリしないフィルムを公的に管理して保存することが出来ないらしい。
所有者がはっきりしているのであれば、寄贈を受けることが出来るそうなのだが、誰のものかわからないけど倉庫にありました、といったものは管理できないのだそうだ。まぁ、誰のものか分からないから仕方ないような気もするけど、そうすると劣化するのを見守るしかないのだねぇ。

まぁ、そういう色んな問題がありますよ、ということを知る会でした。ちなみに、デジタル保存ではなく、フィルムの保存を目指しているらしく、それは記録媒体の将来にわたる再生可能性が担保できないからだと。デジタルデータより銀塩写真というのはどっかでも聞いたな。まぁ、フォーマットさえ残しておけば、その気になればデジタルデータから映像を起こすことは不可能ではないだろうけど、いつでもすぐに、となると難しい時代がくるかもしれん。JPEGって何ですか?みたいなのとか。事実、MDとかZip Drive とか今メディア出てきてもつらいもんな。

そんな感じでまずまず面白かったんですが、このホールが何だか寒くて(これだからコンクリ打ちっ放しは嫌いだ)、2人隣のオッサンが信じられないぐらいタバコ臭かったのが残念でした。

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コメント

ああそうね、フォーマットはどうにかなっても都度HDD修復業者みたいなことするのはキツイわなぁ。
そういう意味では光当てれば情報が出てくるってのは一周回って画期的な記録方法かも。

投稿: しげお | 2013年1月29日 (火) 12:27

jpg は自力でdecode 出来ても、zip drive 読むのは無理だな。NTFS 何それ?USB!? とか言われる日がきたら辛い。
SCSI ケーブルとかは、そろそろ捨ててもいい気がしてきた。

投稿: shun | 2013年1月29日 (火) 11:34

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